続々『クマにあったらどうするか』

よくぞこのお話が記録されていたなと思います。
少なくとも主にはとても参考になりました。(実践できるとは言ってない。)

こちらの語り手さんは早くに父を亡くしたために12歳くらいから体の弱い母と妹の暮らしを支えていたそうです。
そのために色んな仕事をしたけれど、狩猟もその一つでイタチやウサギといったものも獲っていたとのことで、クマもその一つだったと。

アイヌはクマは神様でもあって、獲った後にもお祀りしたりなんだり丁寧に扱ったんだそう。
でも人を襲うクマはもう神ではないからそんなことはしないという明確な区別もあって、昨今の何が何でもクマを殺すな論との差がよく分かります。
実際、まとめの部分でも語り手さんは人の味を覚えたら仕留めないといけないと言っています。

本来はそんなことはしない動物だが覚えてしまったら餌=人間を求める、それを忘れることはないから奥山に連れて行っても無駄だ、と。
そして実はクマは里に近い動物だと言っています。
本当は人間の住む山の麓やなだらかな地形が好きだけど人間が沢山いることはよくよく観察して知っているから会うのを避けて山にいるのではないか。
恐れてもいるからふいに会ってしまった時に自分が襲われたと思って生き残るために手を出す。
人がいる所と知って里に下りて来るのは、それまでに人を襲ったことがあるから。

最後の方では話は環境問題にも及びます。
日本の森林の問題。
山へ踏み入る人々の問題。
実は本気でやろうとしたら大方は解決できる諸問題が根っこにあるのではないか。
12歳から65年間の猟師生活を通して体で学んだ経験ですが、実はアメリカの動物行動の研究者ともかなりの部分で主張が一致しているという記述も書かれていました。
大変面白い内容だったので、後1回お付き合い下さい。

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