終『クマにあったらどうするか』

語り手さんは山仕事を専らにしていたから夜にキノコを見に山へ行ったことも何度もあったそうですが、引退するまで無事に過ごしてきました。
だからクマはいたずらに人を襲わないと言っています。
クマ猟もするから接近して危険なこともあって、その時は連発できない旧式の銃だったから助かったとも語っています。
その描写は思い描くとかなり恐ろしいもので、ただ一発を相手を仕留めるためにこらえてこらえて様子を伺って狙う、、、というのは一発で痛手を負わせてもすぐには動かなくなることはない、それまでに自分がやられると分かっているから、、、って目の前にヒグマがいてそんな判断無理ですわ。

そんな語り手さんの言うクマ問題は、
 山に針葉樹ばかりで食べ物がなくなってきていること
 人がむやみに山中に分け入る→クマの警告に気付かない
              →食べ物やその匂いのついた物を残していく(ある意味の餌付け)
ということのようです。
杉や檜ばかりで暗い山はクマも嫌いだろうという話で、だから国の問題でもあるかな。
でもナラの木があっても実ができないということも起きているようで、やはり食べ物問題は深刻ですね。

アイヌの集落では子グマと相撲をとったりしたこともあるとかで、ただただ恐ろしいモンスターではない、クマなりに頭を働かせて関わり合わずに過ごしたいと思っているだろうとのこと。
子供を連れた母グマは地面を叩いて警告するそうですが、それを知っている人間がどれだけいるか。
そして母とはぐれた子供は山を知らないから、里に居たい山に行きたくないという場合もある。

まだまだ沢山のお話があって、図書館の本ですが買おうかなと思うくらいにはこの本を読んで良かったと思いました。
そして某漫画の『百姓貴族』にてクマの舌を引っ張るのが有効という話がありましたが、どういうことなのかのお話も語られていました。
成程と思いましたが、それは本当に生きるか死ぬかの瀬戸際のお話でした。
既に語り手も聞き手も亡くなられていますが、これを映像化したらいい教材になりそうですけどね。
とにかく気をしっかり持って胆力を付けることかなと学んだ主です。

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